ayya # 055 なんでも相談プログラム --発端編 (語彙増強バージョンアップ2002/09/12)

  ちょっとした知り合いが、電子メイルをくれていうには東京に停まったほうがいいか、京都に帰ったほうがいいか、悩んでいるのだそうである。どちらにもどちらなりの一長一短があり、決めかねているのだそうである。既に双方の得失は検討ずみなのだが、決め手を欠くのだそうである。

  こうした場合わたしには、「神様」と呼んでいるコインがありこれに神託を頂戴することにしている。だって合理的な決定は不能であるという結論が出ているんだもの、不合理ないしは超合理的な決定はこれに限るでしょう。で、この神様のかわりにと万人に開いたのが前作の意志決定支援プログラムであった。

  そこでこれを紹介したところ、神託に従ったかどうかは知らないが、あきらめはついたようである。ところが、どうせなら、悩み相談に乗ってくれるプログラムをつくれというのである。とはいうものの会話をする人工知能となるとわたしごときへっぽこの出番ではないような気がする。が、ものは考えようである。

  いまは昔のことである。うなずきトリオというのがあった。ツービートのビートきよし、B&Bの島田洋八、紳助竜助の松本竜助であったような気がする。それ以前の漫才といえばボケとツッコミ、ボケの見せ場をツッコミが準備し、コントロールしてはなしを進めるいわばアタッカーとセッターといったかんじのコンビであった。これに対し、彼等はウナズキという新しい分野を開拓したのである。この場合相方であるビートたけし、島田洋七、島田紳助らはひとりでボケて、ひとりでツッコムのである。それに対し我らがウナズキトリオはといえば、ひたすら相づちを打つのである。

ボケ=ツッコミ「¥♪〒※▽▲△■□◆◇●◎★#§」
ウナズキ「ふんふん、それで。」
ボケ=ツッコミ「¥♪〒※▽▲△■□◆◇●◎★#§」
ウナズキ「ああ、なるほどね。」
ボケ=ツッコミ「¥♪〒※▽▲△■□◆◇●◎★#§」
ウナズキ「うんうん。」
ボケ=ツッコミ「¥♪〒※▽▲△■□◆◇●◎★#§」
ウナズキ「ンな、アホな。」

  こうしてみるとまるで仕事をしていないようだがそうではない。

  地下鉄やなんかで少年少女の会話を立ち聞きなどすると、順々に言葉を発しているように見えて実は内容が対応していない場合がある。こうした場合彼、彼女たちはお互い相手の意見、考えなど必要としてはいない。そうではなく聞いてくれる人を必要としているのである。なまじ話が噛みあって見解の相違から対立などにいたってはむしろ不都合だといえる。従ってこの一見奇妙な会話はそれでもなお相互が相互を補完してそれぞれ別の二つ物語を成立せしめているのである。会話のタイミングでなにごとかを発言するということが重要なのである。

  よって彼等ウナズキトリオにはひとりボケ=ツッコミに絶妙のタイミング、それがあたかも会話であるかのようなテンポをつくりだすという重要な仕事があるのだった。

  さて、悩み相談にはなしを戻す。悩み相談の奥儀は助言しないことだそうである。できるかぎり、相談者に喋らせ、原因も、解決策もすべて相談者を誘導して喋らせることが肝要なのだそうだ。タロット占いの要領である。両義的なキーワードをちらつかせてあとは本人に語らせるわけだ。それでひとしきり話を聞いてもらえば具体的な解決策はでなくとも何となくこれでいいような気がしたりして。ようするにそのことを問題と感じなくなれば、それはそれで「解決」というわけである。もちろん、はなすことで合理的、ないし効果的な解決策に当人が思い至ればそれでもよい。肝心なのは本人が納得することである。

  前置きが長くなった。そんなわけで、ウナズキ型悩み相談マシンが今回の新開発である。こころおきなく悩み相談なり世間ばなしなどもちかけてみていただきたい。そこはロボットであるから実につきあいよく作ったつもりである。
 




準備はいいですね


これまでの相談のもよう

なお、相談記録は世間にまるみえなので固有名詞などは適当にゴマカして相談してくださいね。

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  2002/9/11